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2024.9.20兵庫県議会 斎藤知事の不信任を議決




兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会は全会一致で知事の不信任を議決した。知事の不信任議決は今回で5例目で、斎藤知事は「議会側の重い選択で、私にとっても重いものなのでしっかり考えたい」と述べ、今後の対応を明言しなかった。
兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会の5つの会派すべてと無所属議員は19日、「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」として不信任決議案を提出した。兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会の5つの会派すべてと無所属議員は19日、「県政に深刻な停滞と混乱をもたらした政治的責任は免れない」として不信任決議案を提出した。
そして採決の結果、決議案は全会一致で可決された。
不信任の議決を受けて斎藤知事は「こうした状況になっている事で心配や不信を抱かせてしまい心から申し訳ないと思う」と述べた。
その上で議決を受けた対応については、県議会の解散も排除せずに検討する考えを示してきたが、19日は「大変重い議会側の選択で、私にとっても重い。覚悟と判断が必要なのでしっかり考えたい。表明するタイミングは、あらかじめお伝えしたい」と述べ、明言しなかった。
一方、告発文書をめぐる一連の問題については「決議案が全会一致で可決されたという結果をもって私に責任がある。結果責任は重いと考えている」と述べた。
知事の不信任の議決は今回で5例目で、これまでの4件はいずれも知事がみずから辞職するか失職していて、議会を解散したケースはない。
斎藤知事としては今月29日までに辞職・失職するか、県議会を解散するか、判断を迫られる事から、引き続き知事の対応が焦点とる。

<余録>
▲予算や人事など強い権限を持つ知事の押込となるだろうか。斎藤元彦知事のパワー(ラスメントなどの疑惑で行政が混乱している兵庫県で、県議会は知事の不信任決議を可決した。斎藤氏は決議後、進退の明言を避けた▲県民から批判が高まる中、辞任を否定し続けた斎藤氏だ。主君と重臣の主従関係と異なり、県民を代表し首長と対等な議会が全会一致で絶縁状を突きつけた。追い込まれた斎藤氏が、議会を解散し対抗することへの警戒も議員には漂う▲県幹部による公益通報を斎藤氏は「うそ八百」と批判して懲戒処分し、その県幹部は死去した。知事の適格性が問われている。たとえ議会を解散しても、大義名分はあるのか。展望なき報復としかみられまい▲解せないのは決議後も斎藤氏が「(事態の)結果責任は重い」と語るなど、一貫して自らの行動の非をほとんど認めないことだ▲視察の際の名産品「おねだり疑惑」や高圧的な部下への言動など、県庁内からも行動の是非を問う声が広まる。就任3年で急速に裸の王様になったとすれば、けじめは自分でつけるしかあるまい。 
  <社説>
県民の代表に不信任を突きつけられた事実は重い。県政の混乱を招いた責任を自覚し、自ら身を引くべきだ。県民の代表に不信任を突きつけられた事実は重い。県政の混乱を招いた責任を自覚し、自ら身を引くべきだ。
パワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された斎藤元彦・兵庫県知事への不借任決議が県議会で可決された。
県議会の調査特別委員会(百条委)で明らかになった事実を踏まえた全会一致での決議である。
発端は県の幹部職員が3月、知事のパワハラや視察先からの贈答品受け取りなどについて、匿名の告発文書を報道機関や一部県議に送付したことだった。
 知事は「うそ八百」と否定し、県はこの幹部を停職3ヵ月の懲戒処分にした。幹部は家族に「一死をもって抗議する」との趣旨のメッセージを残して7月に亡くなった。自殺とみられている。
 6月に設置された百条委ではその後、証人尋問やアンケートで告発の内容を裏付けるような職員の証言が相次いだ。知事もパワハラは否定しつつ、大声を出したことや勤務時間外にチャットで職員を叱声したことなどを認めている。
 最大の問題は県が告発を公益通報として扱わなかったことだ。
 知事はただちに告発者を特定するよう部下に指示していた。告発者の探索を禁止している公益通報者保護法の指針に反する行為だったのは明らかだ。
 不信任となった知事は10日以内に議会を解散しなければ失職すると、地方自治法は定める。自ら辞職する選択肢もある。不信任決議の可決は過去4例あるが、議会を解散した知事はいない。
 自治体は、首長と議員の双方が直接選挙で選ばれる二元代表制を取る。そのため、政治的に対立した場合の対抗手段として首長に議会の解散が認められている。
 しかし、今回は解散に大義名分がない。不信任決議は内部告発への対応の誤りなどから知事として適格性を欠くと指摘している。
 「県民の負託」を理由に知事は辞職を拒んできたが、有権者からも價りの声が上がっている。知事を支えてきた日本維新の会が辞職要求に転じたのも県民の批判を意識せざるを得なかったからだろう。
 知事が身勝手な理由で議会を解散し、県政の混乱をいたずらに長引かせることは許されない。



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