クリミア大橋爆発




ロシアが2014年に一方的に「併合」したウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ唯一の橋「クリミア大橋」で8日、爆発が起きた。貨物列車の燃料タンクに引火して炎上し、橋の一部が崩落。3人が死亡した。橋は通行止めになっており、ロイター通信は、ウクライナ南部に侵攻するロシア軍の「重要な補給路に打撃を与えた」と報じた。
ウクライナは同半島の奪還を目指している。ウクライナ国防省は8日、ツイッターで、4月に沈没したロシア黒海艦隊旗艦の巡洋艦「モスクワ」とクリミア大橋に触れ「クリミア半島での悪名高いロシアの権力の象徴が二つ沈んだ。次は何だ?」と投稿した。ポドリャク大統領府長官顧問も同日、ツイッターでクリミアの橋に言及し「盗まれたものはすべてウクライナに返されなければならない」と書き込んだ。一部が崩落した橋の写真も添えており、同日の爆発に関する投稿とみられる。プーチン政権が激しく反発するのは必至だ。
橋はプーチンの肝いりで建設された。18年の開通時にはプーチンが自らトラックを運転するパフォーマンスも見せており、クリミア「併合」の象徴と言える。ウクライナ南部のロシア軍に兵器や物資を輸送するルートに使われており、軍事上の要衝でもある。通行止めが続けば補給に影響を及ぼす可能性がある。露国防省は8日、陸海のルートを通じて必要な物資を補給できていると強調した。
橋には車道と線路があり、長さ19キロ。ロシア国家テロ対策委員会は、橋のロシア側で8日午前6時過ぎにトラックが爆発し、クリミア半島へ向かう貨物列車の七つの燃料タンクに引火したとしている。「自動車爆弾」だったとの情報もある。プーチンは8日、原因を調査する委員会を設立するよう指示した。


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