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2017.7.3 : 都議選 自民、歴史的惨敗 小池系圧勝、都民フ第1党




東京都議選(定数127)は2日投開票され、小池百合子知事が代表の「都民ファーストの会」は49人が当選、追加公認を合わせて55議席を獲得し、都議会第1党に躍進した。
選挙協力した公明党などの支持勢力と合わせて79議席となり、過半数(64議席以上)を大きく上回った。自民党は「加計(かけ)学園問題」や都議選応援での稲田朋美防衛相の問題発言などもあり、 現有57議席から半分以上減らし23議席となる歴史的惨敗。公明党と同議席数となり、政権に大きな打撃を与えるのは必至となった。投票率は前回(43・50%)を上回る51・27%だった。

安倍政権に打撃

小池氏は2日夜、東京都新宿区の開票センターで記者会見し「『新しい議会を』という言葉が胸に響いたのではないかと思う。新しい都政、新しい議会で新たな一歩を築きたい」と述べた。告示日時点の公認候補50人のうち49人が当選し、追加公認した都民ファースト推薦の無所属候補6人と合わせ計55人の大勢力となった。
自民は60人を擁立したが、加計学園問題や「共謀罪」法の採決強行などで内閣支持率が急落。さらに選挙戦で稲田防衛相が「自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」と、自衛隊の政治利用とも取れる発言をした影響で、都議会議長ポストを巡る贈収賄事件で10人超の自民都議が訴追された1965年、旧民主党が躍進した2009年の38議席を下回る史上最低の議席数となった。
下村博文都連会長は3日未明、党本部で報道陣に対し「大惨敗だ。責任を取って都連会長を辞任する」と語った。
23人を擁立した公明は都議会自民との決別後、初の都議選となったが、組織戦に加えて小池氏が積極的に各候補の応援に入ったこともあり、全員が当選を果たした。前回は無党派層を取り込み、議席を倍以上の17に伸ばした共産は19議席に増やした。
前回旧民主が15議席を獲得した民進は23人を公認したものの、離党者が相次ぐなど党内の足並みが乱れ、議席を5に減らして都議会第5党に転落した。

早期改造余儀なく

自民党が東京都議選で惨敗したことで、安倍晋三首相の求心力低下は必至だ。第2次安倍内閣発足以来続いてきた「安倍1強」が揺らぎ、政権運営は一気に不透明感を増した。首相は早期の内閣改造・党役員人事で局面を打開したい考えだ。7月中旬から8月上旬にも踏み切るとみられる。 首相は2日夜、東京都新宿区のレストランで麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、甘利明前経済再生担当相と会談した。 自民党は、学校法人「加計学園」の問題で守勢を強いられた。萩生田光一官房副長官や下村博文幹事長代行(都連会長)の名も取りざたされた。稲田朋美防衛相が都議選の応援で「自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」と発言した問題も追い打ちをかけた。 いずれも首相と近い議員で、首相とその「身内」が逆風を招いたとの不満が広がる。首相側近は「すぐに人事に着手しないと持たない」と述べた。今週後半からの欧州歴訪後に人事に踏み切るとの見方もある。ただ、新任閣僚が失態を起こせば、さらに政権が弱体化するジレンマもある。首相は難しい判断を迫られる。 首相は今秋の臨時国会に自民党改憲案を提出すると表明している。しかし、党内には首相方針への異論もあり、惨敗は改憲日程にも影響しそうだ。


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