2017.4.5 : 生涯未婚率
50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」は2015年に男性23.37%、女性14.06%だった事が4日、更正労働省の国立社会保障・人口問題
研究所の調査で分かった。
10年の前回調査より男女とも3%超伸びで、過去最高を更新した。
生涯未婚の人は男性のほぼ4人に1人、女性のほぼ7人に1人となり「結婚離れ」が鮮明になった。
人生の選択が多様化する一方、非正規労働者が約4割に増え金銭的な理由で結婚をためらう人も多く、少子化の流れに歯止めはかかりそうにない。非正規の処遇改善など結婚を後押しする対策が急がれる。
老後に身寄りがない人が増えるため、介護や医療など受け皿も課題になりそうだ。
都道府県別では、男性は沖縄の26.2%が最も高く、岩手26.16%、東京26.06%、新潟25.15%、秋田25.1%と続いた。
女性は東京の19.2%がトップ。以下は北海道17.22%、大阪16.5%、高知16.48%、沖縄16.36%の順だった。
生涯未婚率が上がった背景には、社会状況やライフスタイルの変化など複合的な要因が考えられる。「結婚するのは当たり前」という社会的な圧力は弱まり、自分の意思で独身を選ぶ人も増えている。雇用が不安定で低収入の男性が現れる一方、フルタイムで働き経済的に自立する女性が増えてきた。
日本では婚外子が少なく、出産は結婚が前提という意識が強い。未婚率が上がれば少子化も進むため、政府はここ数年、少子化対策の側面から、地方自治体での婚活支援の取り組みを予算化してきた。
結婚したくてもできない人への支援は重要だ。しかし今後も未婚化は進むと見込まれている。いまだに年金や企業の配偶者手当などの社会システムは「夫は正社員、妻は専業主婦」というライフコースを中心に組み立てられたままだ。現状に合わせた仕組みに変えていくべきだ。
単身者は失業や病気で働けなくなれば、すぐに貧困に陥ったり、孤立したりするリスクがある。「単身社会」に見合った、血縁に頼らない地域のつながりや、公的な支えが求められている。